小説を作る29の基本『増補新版 書く人はここで躓く! 作家が明かす小説の「作り方」』

増補新版 書く人はここで躓く! 作家が明かす小説の「作り方」

増補新版 書く人はここで躓く!: 作家が明かす小説の「作り方」』(宮原昭夫、河出書房新社)。小説を書くとき、基本を知ったうえで書いていますか?
続けてビジネス系の本を読んでいると、文章の書き方本を読みたくなります。
文章の書き方本でも今回は久々に小説の文章に関する本を読む機会があり、読み終わったので備忘録。

芥川賞の受賞経験がある著者が小説の構造や登場人物の人間関係など、小説を作る29の基本ポイントを教えてくれる内容。

本書を読み終わって勉強になったこと、感じたことをピックアップすると・・・

  • 「小説とは一種の時間芸術で『設定』から『新局面』までの時間的『展開』の中で、主人公その他の人間像と、人間関係を描き出しつつ、それが変質して行く軌跡を捉えるものだ」ということです。(p29)
    →物語は「起承転結」からできていると他の本で書かれているのはよく見かけるけれど、ストーリーが始まる前から物語はできているというイメージが分かりやすかった。
  • あなたの創作ノートに、あなたの小説の主要な登場人物の頭文字を、丁度車座のように、丸く配置して記してみてください。・・(省略)・・三人なら三角形、四人なら四角形、五人なら五角形です。次にその多角形の対角線をすべて引いてください。その時その多角形のすべての辺とすべての対角線の数の和が、その小説の中で成立し得るすべての人間関係の数です。(p89)
    →今まで人間関係の数に注目してしたことがなかった。登場人物の数だけどのような人間関係になっているのか、矛盾が起きないようにするためには気にすべきだと学んだ。
  • 長・中編が「尾頭付き」だとすれば、短編は「切り身」です。・・・長編の決め手が、設定から新局面までの展開の把握の卓抜さあるとすれば、短編のそれは、素材の一部を切り取る、その切り口の鮮やかさにある、と言えるでしょう。(p135)
    →原稿用紙の枚数の違いくらいしか知らなかったため、短編の面白さの読みどころを知った気分になり、今度、短編を読んでみたいと感じた。

小説の書き方本を少なくても10冊ほど読んできたけれど、人間関係の数を気にしたり、長・中編と短編の違いなど小説を書くときの新しいポイントを学んだ。著書の中で「小説を書いて躓いたときの原因チェックリスト代わりにしてほしい」と著者が言っているように、どういった内容が良いか悪いかが例などもあり分かりやすく書かれていた。
これから小説を書いてみたいと考えている人におすすめの良書。

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