仕事でマニュアル作成を担当して新人とは呼べない年数になりました。
はじめてマニュアルを任された時に一通り目を通して思ったのが、
「文体とか表記がバラバラ…?」
でした。
現在配布しているマニュアルの全体の9割は、私が修正しています。新製品であれば一から作成しています。
それでも1割は上司だったり、社内社外問わず他の人が修正することがあります。
私が勤めている会社は関わる人がわりと少ないほうかな思います。それでも時々「ちょっと違うところがあるなぁ」と感じる箇所を見つけます。
操作マニュアル、ブログ記事などで文章を書く担当者が増えれば増えるほど、文体や表記がバラバラになりやすいのではないでしょうか。
私が勤めている会社では、まだ表記ルールを作成していません。会社で表記ルールの活用を提案したいなぁと考えています。
そこで今回は誰が書いてもある程度の文体や表記が統一されるように、表記ルールの作り方や活用方法についてまとめてみました。
社内の人間、外部のライターさん向けに文章を統一させたい時に表記ルールを使うと校正時間を短縮できそうですね。
んでは、どうぞ!
■ 目次
表記ルールに載せる言葉の洗い出し方法
『国語表記の基準』を参考によく利用する語句を洗い出しします。
*ひらがな表記にする漢字
[よく出てくる語句]
事/こと/よく利用することがある
通り/とおり/次項のとおりだ
時/とき/ボタンを押したとき
所/ところ/いまのところ変更なしである
共/とも/クリックするとともにFを押す
迄/まで/画面が切り替わるまで待つ
無い/ない/押すボタンがない
等/など/AやBなど
為/ため/エラーを起こすため
更に/さらに/さらにボタンを押す
既に/すでに/すでに保存している場合
易い/やすい/操作しやすい
出来る/できる/保存できます
有る・在る/ある/ボタンがあります
予め/あらかじめ/あらかじめ登録してください
*送り仮名のルール
行う/おこなう/商談を行う
表す/あらわす/図に表す
取扱う/とりあつかう/パソコンを取扱う
*数字のルール
一桁の場合は、全角アラビア数字
二桁以上の場合、半角アラビア数字
四桁以上の場合、カンマを入れる
*記号のルール
括弧は全角/会話文や語句は「」、別資料名は『』、補足情報は()を使用します。
項目や語句を説明する場合は、全角セミコロン:を使用します。
表形式で項目や語句を説明するとき、さらに分割して説明するときは全角セミコロンを使用しています。
半角を使用している会社もあると思いますが、文字が詰まった印象があるので、全角を使用しています。
記事や文章によって統一するといいですね。
*強調のルール
注意して読んで欲しい場合は、太字や赤文字にします。
マニュアルでは注意や補足事項がある場合、文章を枠で囲んでいます。
それでも読み流してしまうユーザーがいます。読み流してほしくないとき、さらに強調させるため太字や赤文字を使用します。
太字は1ページまたはひとつの内容に何箇所出てきてもいいですが、赤文字は一箇所にすると決めています。
*その他のルール
別資料や別項目を参照する場合は、名称にリンクを貼ることにしています。
同じマニュアル内を参照する場合は、リンクを貼るだけです。
別マニュアルを参照する場合は、「別マニュアルの『⚫︎⚫︎⚫︎』を参照してください」というふうに名称の前に「別」を記載しています。
他のページが開くことに気付いてもらうためです。
表記ルールの書き方
会社によって書き方はさまざまだと思います。
調べていくと、漢字/読み/正の例文/誤の例文 を表形式でまとめているところが多いです。
参考にする側としては例文があると、どういったときにどちらの表記にしたらいいのかわかりやすいですね。
表記ルールのお知らせ方法
表記ルールを作成したら、関わる人に情報共有が必要です。
メールで一斉送信してもいいですし、クラウドの共有フォルダを準備するのもいいですね。
私が勤めている会社では、グループウェアを導入しているのでグループウェアのデータ共有する機能に保存することになります。
まだグループウェアを導入していない場合は、desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)やサイボウズ Office、NI Collabo Smartなど有名なグループウェアの概要をみて、利用用途にあわせて検討してみるのがおすすめです。
表記ルールを使って校正する方法
自分が書いた文章または他の人が書いた文章、表記ルールと照らし合わせてチェックする必要があります。
表記ゆれをチェックするツールを使用して、最後に目視で確認するパターンが多いようです。
校正するときに使用するツールは、wordやwebサービスなどいろいろあります。
いろいろ試してみて、セキュリティ面や使い勝手から選んでみるといいですね。
ツールを使うことである程度の表記ゆれを見つけることができますが、それでも抜け漏れがあります。そのため、人間の目で確認が必要になります。できれば、書いた本人以外の第三者に確認してもらうといいようです。
まとめ
表記ルールを作成して、上司に表記ルールを活用するように提案してみようと思います。表記ゆれが見つかるとかっこ悪いなぁと感じるので防止したいです。
あとは、原稿が多くなれば多くなるほど目視でチェックするのは大変になるので、AIの言語能力が発達して原稿チェックできるようになる今後に期待です。